「おお。ありがと」
大河の嬉しそうな声に、笑みが浮かぶ。
大河から離れて蓮の手を掴む。
「行こ」
「ん」
おやすみなさい、という声を背に、部屋を出た。
――――――――
「大河に何やったんだよ? すげぇペラペラなプレゼントだったけど」
布団の中、蓮があたしを抱きしめながら訪ねてくる。
「別に普通だよ?」
「いいから何だよ」
「図書カード」
「は?図書カードぉ?」
「うん」
蓮のはだけて見える胸板に頬を摺り寄せながら答える。
「だって、アクセサリーとかだと大河こだわりとか強そうだしダメでしょ?」
大河はいつもオシャレなものを身につけていて、こだわり抜いたものじゃないとダメなイメージがある。
「その点図書カードなら大河バカだし参考書とか買えばいいんじゃないかなって」
「ふーん……マンガと雑誌で消えるのがオチだな」
「否定はしない」
クスクス、笑いながらも眠気に従うように目を閉じた。