「菜穂さんはなに食べます?」
「タコ焼きでよろしく〜」
颯からタコ焼きを受け取って、真梨を見る。
「真梨、タコ焼き食べれたよね?」
「うん」
「んじゃ、一つあげるから焼きそば一口ちょーだい」
「いいよー」
タコ焼きを一つ串に刺して、はい、と真梨の口まで持って行く。
パクリと口に入れて、もぐもぐと口を動かす。
それだけを見てれば、さながら小動物のよう。
「おいし?」
そう問えば、小さくうなづいた。
蓮斗を見ると、少し眉間にシワが寄っている。
……ヤキモチかな。
なんか知らないけど喧嘩したからか文句は言ってこないけど。
「菜穂、はい」
真梨からのあーんに口を開ける。
濃いめのソース味が、口に広がった。
「で、何があったの?」
パラソルの下、もう昼食を終わらせたあたし達。
蓮斗達は海の中で組手をしに行ってしまった。
蓮斗は心配そうに真梨を見ていたけど、結局大河達に強制連行されていった。
「……」
「言いたくない?」
そう問えば、小さく顔を横に振る。



