「あ~、やっと夏休みかよ~」


「大河はテスト散々だったもんね」


「うるせー」




ふわ、と蓮の隣で欠伸をしながら大河と颯のやりとりを聞いている。


確かに、大河のテスト結果は散々だった。


タカが一番バカっぽいと言えばバカっぽいけど、見かけ倒し。


むしろ期末テストでタカが獅龍で一番頭がいいということが判明し、一番バカなのが大河だと言うことがよく分かった。


ちなみにあたしはいつもどおり平均点。


狙って取ったから、返却されたテストをみんなに見られた時は大変だった。


いつも通りやっただけなのに、手ぇ抜くなとか言われて。


何点取ろうが、あたしの勝手なのに。




まあ、それは置いといて。




「そう言えば、夏休みってどっか行ったりするの?」




意外とそう言う話が全く出てこないから、気になってたりする。


でも返って来た言葉は、




「あれ、真梨に言ってなかったっけ」




間の抜けたような、隼のそれ。




「聞いてないけど」




ムッとしてそう言えば、ごめんごめんと笑われた。