蓮たちと出会ってから、まだ1年も経っていない。

もしも1年前のあたしが今のあたしを見たなら、きっと鼻で笑うだろう。

そのぐらい、蓮たちと出会う前は想像もしなかった。

こんな未来、想像もできなかった。



毎日違う男に抱かれるだけだったあの頃、

自分勝手で子どもだったあの頃、

想像もできなかった未来にあたしはいる。

そんな幻想のようで現実な今が、これからもあたしを毎日幸せにしてくれるだろう。



ふともう一度蓮を見れば、まだ瞼は閉じられたまま。

綺麗で、色気があって。

だけど子どものように無邪気な寝顔を見せる蓮。



「蓮……」



〝アイシテル〟



初めて口にした言葉は、ほんの少し震えていた。

けれどそれは、初めての響きには聞こえなかった。

きっと、心の中ではずっと思っていた。

心の中では、ずっと。

ずっと、その言葉を叫んでいた。



もう一度、言い慣れない言葉を小さく小さく呟いて。

あたしは寝ている蓮の頬に、キスをした。



愛して。Ⅱ
~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】