それからしばらくして蓮は、下半身は黒のスウェット、上半身は裸という格好で脱衣所から出てきた。
髪はまだ濡れていて、なんかすごい色気が出ている。
正直、直視できない。
「ちょっと、上着てよ……」
「なんでだよ。脱ぐんだから一緒だろ」
「な……っ」
ぬ、脱ぐって……確かに全て終わったら、って約束したし、あたしももしかしたら今日……って思ってはいたけれども!
情緒もへったくれもあったもんじゃない。
蓮が近づいてきて、ベッドに乗り上げる。
ギシリと、ベッドが鳴いた。
「ちげーの?」
そのままあたしの肩に触れた蓮に押し倒される。
蓮の手があたしの頬に触れる。
蓮の顔がすぐ目の前にある。
綺麗な銀の瞳がいつも以上に熱をはらんでいて、見ているだけで胸が高鳴る。
「ちがうく、ない……」
「だったらいいだろ?」
蓮の唇があたしのそれに重なる。
最初は軽い、触れるだけだったものが、どんどん深くなっていく。
溶けて、なくなってしまいそうだ。



