小さな顔に映える、パッチリ二重の琥珀色の瞳。

筋の通った高い鼻に、小さく潤った唇。

同じだ……。ずっと醜いと憎んできた、あたしの顔と……彼女の美しい顔は、写真で見るよりもよく似ていた。

血縁者だと、赤の他人でも分かるくらいに。



立ち止まって動けないあたしに、ヘンリーさんがリリーさんの側によって車いすを押してくる。

目の前まで来てみた顔は少し老けてはいるけれどやはり似ていた。

綺麗な瞳から涙がぽろぽろ零れる。



「私、梨里よ。……ごめん……ごめんなさいね、私のせいで、真梨ちゃんにたくさん辛い思いをさせてしまって……」



違う……梨里さんのせいじゃない。

梨里さんだって、好きで交通事故に遭ったんじゃない。好きで目覚められなくなったわけじゃない。好きであたしを手放したんじゃない。

そんなの、今目の前で涙を流す梨里さんを見ればすぐに分かる。

もちろん、ヘンリーさんだって……。あたしを、不幸にしたかったわけじゃない。

みんなみんな、必死に生きた結果がこうだった、っていうだけで……。