本当は、一人で行くべきなのかもしれない。

蓮を巻き込むべきじゃないのかもしれない。

だけど、あたしは弱いから。すぐ、後ろを向いちゃうから。

蓮ばっかり頼っちゃうけど、許してほしい。

一人でいた時は、もっと強かったと思うんだけどな。大切な人ができて、ずっと弱くなった。



「ごめんね……」

「なんで謝んだよ」

「蓮に、負担ばっかかけてる気がして……」



そう言って下を向くと、蓮は「んなことかよ」と笑い飛ばした。



「俺はそうやって頼ってもらえる方が嬉しいけど?」

「蓮……」



握っていた手を離して、抱きつく。蓮の手が、あたしの背中にまわる。



「全部……全部、終わったら」



生みの母親に会って、全部が終わったら。



「あたしの全て、蓮にもらってほしい」



身も、心も。全て、蓮と一つになりたい。



「それ、どういう意味か分かってて言ってんのか?」

「わかってるよ」

「抱くぞ?」