あたしと蓮は二人でバイクに乗り、隼が入院しているタカの家の病院へ向かった。

隼の病室に入ると、隼と隼のお父さんの二人がいた。

隼の部屋は、タカのお父さんの計らいで個室だ。



「蓮、真梨!」

「よぉ」

「ごめんね隼、なかなか来れなくて」



隼は白い患者服を着て、上半身を起こした状態でベッドにいる。

折れた左腕とヒビの入った肋骨を固定するコルセットがとても痛々しい。

先週よりは減ったけれど、体の至る所に包帯が巻かれている。



「こんにちは」



蓮と一緒に隼のお父さんに頭を下げる。

隼のお父さんは「やぁ」と言って笑顔で迎えてくれた。蓮と二人、ベッドのそばに置かれた椅子に座る。



「隼……ごめんね、あたしのせいなのに……全然来られなくて」

「いーよ。てか真梨のせいじゃねーし」

「でも……」



あたしが捕まらなければ、隼が怪我をすることもなかった。

そう言おうと思った時、隼がそっぽを向いた。

少し赤くなった耳だけが見える。



「結局、守れなかったし」