「…………。隼は?なんでいるの?」
「コイツしつこく追ってきたから〜。バイクで吹っ飛んだし、仕方なく?」
「吹っ飛んだ……?」
真梨が意味わからない、というように俺を見つめる。
「真梨!俺のことは良いから、逃げることだけ考えろ!」
「で、でも……「逃すわけ、ないでしょ〜?」
キョウが真梨の肩に手を回して顔を真梨の顔に近づける。
真梨の顔が強張ったのが、ここからでも見えた。
「やめろ!!」
目の前の光景に、頭に血が上る。
真梨を守るって、親父に約束したんだ。
約束を守れなくて、何が男だ!!
「やっ」
「かーわい〜」
キョウが真梨を無理矢理押し倒す。
「キョウ、てめぇ……っ!」
真梨が嫌がっているのがわかる。
最初、俺は真梨が嫌いだった。



