真梨のそばに近づいて、そっと頬を撫でた。
「ん……」
くぐもった真梨の声が聞こえる。
「真梨!!!!」
思わず叫んだ。
「……な、に……?」
「あ、目覚めた〜?」
「あんた……キョウ?」
真梨は完全に目を覚ましたらしい。
「気持ち悪い……あたし、なんでこんなとこに……」
小さな真梨の声は少し掠れている。真梨は上半身を起こして、辺りを見渡した。
そして俺の姿を視界に入れた瞬間、目を見開く。
「隼!!?」
「真梨!目覚めたんだな!」
「な、なんで……その格好……」
真梨は困惑したように頭を押さえ、すぐにハッと顔を上げた。
「キョウ……あんた……」
「思い出した〜?」
「あんたが襲ってきたのは、思い出した。あんたがここに連れてきたのね」
「そーゆーこと。ちなみに彼氏さんは手も足も出てなかったよ〜」
意外と真梨は冷静にそう話している。
にしても、蓮が手も足も出なかったなんて嘘だ!
どうせ卑怯な手を使ったに決まってる!!



