そう思った時にはすでに遅し。



――ガッシャーン!!!!



大きな音を立ててバイクは転倒し、俺の体は地面に投げ出された。



「くっそ……」



頭は打ってないが、全身を強く打った。

特に左腕は当たりが悪い……これは折れてるかもな……。

肋骨もイってるか……? くそ、全身痛くて動かねえ……。



「なー、これ流石にヤバいよねぇ〜?」

「そうっすね」

「どーしよ」

「とりあえず連れて行きましょう。放っといた方が面倒っす」

「んーあー、そうだね〜」



ダルそうな男二人の声が聞こえる。

薄目を開けると、追いかけていた車が止まっているのが見えた。

見えてすぐに、目を閉じる。

もうダメだ。瞼が重い。

意識が薄れていくのがわかる。

ダメだと思うのに、体は思うように動かない。

俺の意識は深く沈んでいった。