この歳になって親父と文化祭を回るのは照れ臭いけど、この学校に入ると決めた時もすごく心配していた親父だ。
今日は割と危険な日だけど……少しでも安心させてあげたいし、大好きだからまあいいかな、なんて思った。
「お待たせ!」
「お疲れ、隼」
笑顔で迎えてくれる親父。当番制だった店番が終わり、すぐに合流した。
今日、蓮が言うにはphantomが来る可能性があるらしい。
それもあって本当は来てほしくなかったんだけど……。
でも、来てくれたのに追い返すのも忍びないし。
少し一緒に回って、帰ってもらうことにしよう。ちょっとくらい、大丈夫でしょ。
しかも可能性ってだけで来ないこともありうるわけだし。
ちなみに、余計な心配をさせるわけにもいかず真梨には伝えていない。
パーティーでもいろいろあって精神的にしんどいだろうし……。
そんなわけで蓮たちは何かあった時にすぐ対応できるよう、当日自由度の高い出し物にしたみたい。