姫と認められた日から一カ月以上が過ぎた。






冷房一つ無い教室は、肌に汗を滲ませる。


こんなに暑いのはきっと、男だらけのこの暑苦しい空間の所為だけではないと思う。




「とりあえず面倒事だけは起こさないよーに」




担任の松村の声を適当に聞き流して。


ボーッと窓の外を見る。




バタバタと過ぎた、ここ一か月半ほど。


梅雨が明け、一学期期末テストも終わりを迎え。




「じゃ、これでHR終わり。夏休み楽しめよ~」







あたしは、初めて蓮達との夏休みを迎える。