「“お人形”が“天使”になった感じ?」
「綺麗すぎて腹立つわー」
いつも敬遠してきたクラスの女子にそこまで言われると、もうどうして良いかわからなくなってきた。
今までの目の敵にされてる感じはどこに行ったんだろう。
こんなふうに同じ空間で同じ時間を共有していることが違和感しかない。しかも決して嫌な空気感じゃない。
ついでにメイド服にツインテールのままで、カオスだ。
「もう着替えて良い?! コレ!」
「もう飽きたのかよ? じゃあ次コレね」
「え、は……?」
涼子に次の衣装を渡され、試着室に押し込まれる。
結局その日、あたしは女子たちの着せ替え人形となった。
そして、文化祭当日。
あの日以来、クラスの女子たちとの関係が変わった。



