「あんたいつもファンデ塗ってる?」
「うーん、あんまり」
「肌綺麗だからいらないと思うかもしれないけど、紫外線からも守ってくれるしBBクリームくらい塗ったほうがいいよ」
涼子はそう言って黒いコンパクトを手に取る。
「このクッションファンデ、めっちゃ良いから。薄づきなのに肌も綺麗に均一にしてくれるし、艶感も超綺麗」
そう言ってクッションファンデを肌に乗せていく。綺麗だけど厚ぼったい感じはない。
「わ、本当に綺麗」
「でしょー?」
涼子は褒められて機嫌が良くなったのか、ノリノリでメイクを施していく。
10分ほどでメイクは完成した。
「やっば、アタシ天才では?」
涼子の呟きに、モデルが良いからでしょ、と周りの女子が言う。
鏡で自分を見ると、メイク自体は薄くてあっさりヘルシーなのに、いつもより血色感が出て人間らしい自分がいる。



