愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】



「ちょっと、メイクとかいいんだけど」

「黙りな」



涼子に顎を掴まれ、涼子の方を見るしかなくなる。

涼子と目が合えば、涼子はチークで染めた頬をさらに染めた。



「何で顔赤くなってるの?」

「ば、赤くなってないし!!」



頬を赤く染めたまま「ちょっと黙れ」と言われて、ムッとしながらも大人しくする。

気を取り直したらしい涼子は、メイク道具を漁り始める。



「今すっぴん?」

「うん。なんもしてない」

「それでこれ? まじムカつくわー」



ぶつぶつ言いながらも涼子はピンク色のパッケージのクリームを手に取る。



「それ何?」

「コントロールベース。あんた、顔も肌も綺麗だけど、血色感なくて人形みたいだから」

「それ塗ったら血色感出るの?」

「そう」



ふーん、と言っている間に塗られる薄いピンクのクリーム。

目の前に置かれた鏡を見れば、少し顔色が良くなった気がする。