知りませんけど……。
でもまあ、話はわかった。
こいつらはチケット欲しさにいつも目の敵にしているあたしを利用しようってことね。
そして大河たちはあたしを生贄に逃げたってわけか。自分たちはしないで……。
あいつら、絶対許さない……。
そう決意しながらも、あたしはここから逃げることを諦めて、制服を脱ぎ始めた。
「ムカつくけどかわいい……」
涼子が悔しそうに呟く。
あたしは今、黒いメイド服に白のエプロンを身につけている。
スカートは膝丈で、至って清楚なデザイン。
髪は高めの位置でツインテールにされた。
ヘッドドレスもつけられ、まるでメイドカフェの店員さんだ。
「ちょっと水川、メイクさせろ」
「え、なんで」
喧嘩腰の涼子に、ちょっと引く。
しかもギャルの涼子にメイクなんてされたら、すごいことになりそう。
今顔を見ただけでも、アイライン太すぎない?って思うのに。
「いいから!!」
腕を引っ張られて、無理矢理メイク道具の並べられた机の前の椅子に座らされる。



