「あ、涼子!連れてきたの?」
「うん」
あたしを連れてきたギャル女は涼子と言うらしい。
教室内にはカーテンで仕切られた簡易的な試着室らしきものがあり、固めて置かれた机の上にはメイク用品が山のように置いてある。
「ちょ、ここで何するの?!」
嫌な予感がして、声を上げる。
「え? 何って、衣装合わせに決まってるでしょ! あんたには当日、客寄せパンダになってもらうんだから!」
「はぁ?! 誰がそんなことやるって言ったのよ!」
「大河さんたちから許可はもらってるんだから! 大人しくコレに着替えなさい!」
涼子に無理矢理渡されたのはメイド服。
客寄せパンダって……そこまで言うのなら、むしろ潔くも感じる。
あたしの仕事って、多分これのことだったんだろうな。
そのまま試着室に放り込まれて、一方的にカーテンを閉められた。
「あたし何も聞いてないんだけど!」
「そりゃーあんた、休みだったもん。でも、そっちの都合で出し物決めたんだから、このくらいやってもらわないと割に合わないわ」
「こっちの都合……?」



