どうして。他の誰かから同じことを言われても、絶対に信じられないのに。
嘘ばっかりだって、あたしなんかどこも綺麗じゃないって、思うのに。
どうして蓮から言われると、こんなにも嬉しいんだろう。
どうして蓮から言われると、馬鹿みたいに信じちゃうんだろう。
あたしも好きな人の前では、馬鹿で単純な女でしかない。
「ほんとに?汚くない?」
「ああ。当然だろ」
優しく微笑む蓮に、また涙が出てくる。
あたしが汚くないっていうなら、ちょっとくらいわがまま言ってもいいかなぁ……。
「れん……」
「ん?」
「お願い、一人にしないで」
一人は寂しい。一人は苦しい。一人は悲しい。
あたしが汚くないなら、綺麗だって言ってくれるなら、これからもそばにいて欲しい。一人にしないでほしい。
蓮たちに出会っていなかったら、こんなこと思わなかったと思う。でも、一人じゃない嬉しさも楽しさも、知ってしまった。
だから余計に、一人になることが怖い。



