愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】



光の着ている白いTシャツの二の腕部分が切れていて、血が滲んでいる。

顔も殴られたのか、赤く腫れている。



「ひ、光……血が……」

「ん?あぁ、かすり傷だ」



あたしの体が震えている。

その足で光に近づいて、手でそっと光の頬に触れる。



「ま、真梨?」

「どうして……」



みんなが不良なのはわかってた。

こうやって喧嘩したり、怪我をするリスクだって理解してた。

その現場に居合わせたこともある。

だけど、今日のあたしにはダメだった。

パーティーでの出来事もあって、完全にキャパオーバーしていた。

気づけばあたしの目からは、ポロポロと涙が溢れていた。



「な、何泣いて……」

「…………」

「お、おい真梨っ、泣くなよ……」



慌てている光に、あたしは何も言えない。

違うの。光が悪い訳じゃないの。もうわけわかんなくて、勝手に涙が出ちゃうの……。

そう言いたいのに、あたしは唇を震わせるだけで、言葉を紡ぐことができない。



「悪い光、ちょっとパニックみたいだ。気にしなくていい」

「え、あ、はい……」