愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】



「真梨」

「うん」



蓮に声をかけられて、車を降りる。

車に揺られている間に少し冷静さを取り戻したあたしは、差し出された蓮の手を取って倉庫の中に入る。

けれど倉庫の中を視界に入れた瞬間、あたしの頭の中は完全にパンクした。



「なに、これ……」



少し埃っぽい、いつもとは違った荒らされた倉庫内。

いつもは綺麗に整頓されているのに、物が散乱している。

怪我をしたのか、体に包帯を巻いている人もいる。



「あ、蓮さん。おかえりなさいっす」

「おい光、これどうした」



声をかけてきた光に、蓮が問いかける。

手当てをしていないのか、光は身体中生傷だらけだ。



「や、ちょっと襲撃があって」

「大丈夫なのか?!」



“襲撃”

その言葉に反応したタカが声をあげる。



「もう追い払ったんで、大丈夫っす。大きな怪我してる奴もいないし。大河さんたちは奥にいますよ」

「そうか」



タカが答えて、蓮と奥に進もうとする。

だけどあたしは、固まってその場から動けなかった。



「真梨?」



蓮の声にも、反応できない。