愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】



「あ、ああ……。すまない。また、会いたいんだが……」

「…………」



おじさんの声に、誰も答えない。



「……気が向いたら、これに来てくれないか」

「個展……ですか」



タカが答える。



「うん。この秋からしばらく、個展を開くことになったんだ。僕もここにいるから……」

「わかりました」



何がわかったの?全然わかんないよ!



「行かない……」



掠れたような声が出た。



「行かないから!!!!」



こんな風に叫んだのは、久しぶりだった。

正直、訳がわからなかった。

いったい、この人が何を考えているのか、あたしがどんな状態なのか、もう必死で、本当に何が起こっているのかわからなかった。

気づけばあたしは、蓮に連れられてホテルを出て車に揺られていた。





「…………」



誰も離さない車内は、とても静かだった。

タカも蓮もあたしも、何も話さなかった。

しばらくして、倉庫の前に車が止まる。