愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】



輝く金髪をオールバックにした、ダンディなおじさん。

痩せ身で、頬がこけている。健康的とは言い難い。

髪はクセのなさそうなストレートで、瞳は、くすんだ空の色みたいな、薄い水色。

くすんだ、空の色……。



それに気づいたその時、ぐらりと世界が反転したような気がした。

ドクドクと、大きく心臓が脈打ちだす。

その、瞳の色。それから、髪の色も。

まるで、その色は……。



「真梨、君は……僕の、」

「い、いや……」



おじさんの声を遮る。

体が、あたしの意思に反してガクガクと震える。

まっすぐ立っていられないあたしを、蓮が支えてくれている。



「やめて!聞きたくない!!」



ぎゅっと、体を抱きしめる。

嘘だ。やめて。なんで。どうして。嫌……。

あたしの想定が正しいのなら、この人は……。

違う!嘘!!どうして……どうして、今更!



「すみません。今日は、これで勘弁してもらえませんか」



蓮の声が、ぼんやりと聞こえる。

もうあたしの視界には何も映ってなかった。

蓮のスーツに顔を埋めて、しがみつく。