愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】



「蓮……」

「大丈夫か?」



振り返った蓮の優しい表情と声にホッとする。

小さく頷くと、蓮の腕を両手でキュッと掴んで、おじさんに向き合った。



「す、すまない……知り合いに似ていて、取り乱してしまった」

「いえ……少し、目立ってしまいましたね。外に出ましょうか」



蓮の隣にいたタカが、おじさんにそう言って外へ促す。

周りに人だかりができていて、ざわついている。

必死で気づいていなかったけれど、少し騒ぎになってしまったみたい。

会場を出て人気のない場所へ行くと、あたしと蓮、タカ、おじさんの4人だけになった。



「ここでいいか」



蓮のその声で、おじさんに向き合う。

そこで初めて、あたしはおじさんの姿をちゃんと視界に入れた。



「本当に、すまなかった。怪しい者ではない。これを……」



彫りの深い顔に、金髪。どう見てもおじさんは外国人だ。

日本人に比べて老け顔な外国人であることを差し引いても、50代に見える。

おじさんがあたしたち一人一人に名刺を配る。

その時に見えた瞳は、薄い水色だった。