愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】



「ちょっと、お手洗い行ってくるね」

「おー」



そんな会話をして、蓮とタカの元を離れる。

会場外にあるお手洗いに入って、用を足す。

手を洗って、軽くメイクを直してからお手洗いを出た。





会場に戻って、蓮たちの元へ向かう。

その時だった。



――バシッ。

急に誰かに腕を掴まれて、振り返る。



「リリー?!」



あたしをそう呼んだのは、どこからどう見ても外国人のおじさん。

おじさんの手があたしの腕から離れると、今度は両手で両肩を掴まれた。



「リリー……」

「い、いたっ」



人の、名前だろうか。

『リリー』と呼んで肩を掴む手に力がこもっていて、痛い。



「やめてください……誰ですか!」



あたしの声に、おじさんの手が緩む。

その時、あたしとおじさんの間に入り込むように、誰かが割り込んできた。



紺色のスーツが視界に広がる。