「おーい。蓮、真梨!」
タカの後ろには、タカのお父さんがいて「こんにちは」と声をかけられた。
「あ、初めまして。水川真梨です。えっと、以前病院でお世話になって……」
「ああ、聞いているよ。元気そうでよかった」
「その節はありがとうございました」
以前、階段から落ちて足を挫いた時に行った病院が、タカの家の病院だった。
タカのお父さんも、そのことを聞いていたみたいだ。
「蓮くんも。元気そうだね。無理もしてないみたいだ」
「そうですね……そういうのは……まあ、はい」
蓮とタカのお父さんの話はよくわからなかったけど、とりあえず笑っておいた。
しばらくして、タカのお父さんは「じゃあ、楽しんでね」と言って帰っていった。
「タカは?終わったの?」
「あぁ、うん。俺のやることは終わり。あとは適当に飯でも食ってるよ」
「そっか」
食べて飲んで、雑談する。
格好は違うけど、いつもの空気に和んでいた時だった。



