「どうぞ皆様、楽しんでいってください」
その言葉で、タカのお父さんは挨拶を締めくくった。
小さく拍手をする。
拍手が止むと、人は各々話したり飲んだりき始めた。
「真梨、なんか飲むか?」
「え、あ、うん」
蓮と軽食のある場所に移動して、少し食べる。
何が並んでいるのかよくわからないくらい、カラフルでおしゃれな軽食ばかり。
あたしが手に取ったのは、サーモンのマリネみたいだ。
さっぱりしていて美味しい。
「おいしいね」
「あぁ」
「蓮、なんか飲む?」
「ワイン」
こんなところでアルコールを飲めないのはわかっているのに、そんなことを言う蓮に笑う。
「ワインいいねぇ。飲みたい〜」
クスクス笑いながら、葡萄ジュースを給仕の人にもらう。
せっかくタカのお父さんに招待してもらったのに、未成年飲酒は絶対ダメだからね。
「ちょっとワイン気分?」
「葡萄ジュースだけどな」
しばらくそのまま話しているうちに、あたしたちの元にタカが戻ってきた。



