「で、目ぇつけられたってわけか……」
蓮が小さくため息をつく。
「いろいろ調べられてるかもね。俺のこともつけてたし」
そうだ。あいつら、颯のこともつけてたんだ。
ということは、あたしが蓮と付き合っていて、獅龍にいることもわかった上で狙ってるって事?
獅龍がこの辺では有名なチームだってわかった上で? 蓮がそのトップだとわかった上で? そうだとしたら、相当イカレてる……。
「今日の走りは以前まで大規模に行われていた日程だし、目星つけやすかったのかもな」
大河はそう言って、どうしようもねぇな、と呟いた。
「とりあえず、わかってることを整理しておこう」
颯がノートパソコンを取り出して、そう言う。情報をメモしたいみたいだ。
「名前は……キョウ、だっけ」
「そう。銀髪のほう」
「もう一人は?」
「名前は知らないけど、紺色っぽい、深い青の髪だったはず。ロン毛で、結んでた。あとメガネ」
颯の質問に、隼がテンポ良く答えていく。
ファッションビルで隼はあの二人と会ってるけど、よくそれだけ覚えてるな……。



