愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】




夏休みの最終日、つまり走りの日がやってきた。

その日、朝から倉庫が騒がしかった。

もっと言うと、幹部部屋が騒がしかった。

もっとはっきり言うと、隼が騒がしかった。

言葉とかではなく、動きが。

ずっとそわそわと歩き回っているし、バイクの整備に行ったかと思えばすぐに戻ってきてスマホで時間を確認する。

時間はそんなにすぐ過ぎないよ……。

倉庫内にいる光と小太郎も同じような感じだ。



お昼が過ぎて夕方になると、颯が動き出した。

ベージュのチノパンに、白いシャツに薄手のジャケット。

いつもより少しシンプルなスマートかつカジュアルな服装に着替えてくる。

そう、今日は走りの日。つまり、颯が本当の両親と会う日でもある。

時間的に走りに間に合うか微妙みたいだけど、もし間に合わなかったときのためにバイクで行ってバイクで合流するつもりみたいだ。



「颯もう出るの?」

「もう少ししたらね。寄りたいところもあるし」



私の問いかけに、ソファーに腰掛けながら颯が答える。