愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】




蓮に丸め込まれるように、赤のドレスを持って試着室に入る。

試着して出れば、おぉ、とお姉さんと菜穂が声を上げた。



「今までで一番似合ってる!!」

「とってもお似合いです~! さすが彼氏さんの見立てですね!!」



色が違うだけでこれだけ違うのかと、驚いた。

シンプルすぎると思ったドレスが、鮮やかな赤色になっただけでパァッと明るくなる。

白い肌を、真紅がより明るく見せてくれる。



「すごい、綺麗……」



艶やかな赤が、とても綺麗に瞳に映る。



「決まりだな」



満足そうに、蓮が笑っている。



「でも……目立つ、よね」



大病院主催の創立記念パーティー。

あたしの知らない、見たこともない未知の世界。

不安なんだ。

下手に目立ちたくない。変なところを見せたくない。

あたしは礼儀作法なんて知らない。教えてもらったことなんてない。

まともに育てられたことのないあたしが、まともに人と関わってこなかったあたしが、そんなところに行ったら場違いに決まっている。

だから、目立ちたくない。できるだけ、静かに、無難にこなしたい。