愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】




「おー、真梨はやっぱり何でも似合うねー」



菜穂が感心したように言う。



「うーん……」



迷うように、口ごもってしまう。



「ちょっと、シンプルすぎますか?」



お姉さんの言葉に頷く。

袖にレースがあしらわれ、ウエストが絞れるひざ下丈のシンプルなドレス。

その上、紺色という地味な色。

悪く言えば平凡というか、あまりピンとこない。

あたしの要望にピッタリと言えばピッタリなんだけどね。



「そう、ですね……」



困ったようにそう言えば、ずっと黙っていた蓮が口を開いた。



「他の色ねぇのか? 同じデザインで」

「あ、あります! 持ってきます!」



かしこまったようにお姉さんはそう言って駆けていく。

しばらくして、何着か手に持って戻ってきた。



「同じデザインとなると、あるのは黒、赤、黄色ですね」



あたしの要望に合うのは、黒と紺だけってことか……。



「真梨」

「何? 蓮」

「赤、着てみろ」

「え? 赤?」

「いいから。着てみろ」

「う、うん……」