日が高く昇った、時刻は13時30分。

ざわざわと、人混みがあたしたちを避けるようにしてそこに吸い込まれていく。

あたしたちはパーティーの準備のためにファッションビルの前まで来ていた。



「ね、あそこの人たちめちゃくちゃカッコ良くない?」

「やば、超美人! お前声かけて来いよ!」

「何言ってんだよ、男連れだぞ?!」



いつもとは違う、新鮮な反応。

隣の市まで来たんだから当たり前なのかもしれないけど、あたしたちのことを知っている人たちはいないみたいだ。



「いつもとはえらい差だな」



ボソリ、呟くように大河が言う。

今日一緒に来たのは蓮と大河、隼、そして菜穂。

タカと颯は予定があるみたいで来ていない。

菜穂は大河が呼んでくれた。女子目線も必要だろう、って。

そういえば海から帰ってきてから一週間、大河は今まで遊んでた女の子みんなと縁を切って、菜穂と付き合い始めたみたい。

何も言ってなかったけど、二人とも妙に機嫌がいいし、間違いないだろう。