何度も時計を見る。

無情にも針は動いていて、時間はどんどん過ぎていく。



「ねぇ! さすがにタカ、遅すぎない?!」



時刻はもう22時だ。

今日はタカがいなかったからシゲさんのところへ夕ご飯を食べに行って、それから帰ってきてからもう2時間は経っている。

幹部部屋の3人掛けのソファーに寝そべったまま、スマホをいじっていた大河が顔を上げた。



「もうそろ帰ってくんだろ」

「そう言ってどれだけ時間経ったと思ってるの?!」



何度このやりとりを繰り返しただろう。

ずっと、出入り口前をうろうろしている気がする。

蓮はひとりがけソファーでバイク雑誌を見てるし、隼はもう一つの3人がけソファーに座って小型ゲーム機でゲームをしている。

颯は隼の隣でパソコンに夢中だ。

いつも通り過ぎて、あたしばかりがからまわっている。



「タカに連絡は入れたのか?」

「入れた。返事来ない」



蓮の言葉に、首を振る。