どこから現れたんだ、というのは置いておこう。

どうせそっとリビングに入ってきていたんだろう。



「もちろん、由美もすばらしい女性だけどな」



そう言って親父は、由美さんの側へ行って肩を組む。

鼻の下を伸ばして、にやついていて、普通に……キモい。

蓮と真梨がいちゃついてるとこっちが恥ずかしくなってしまうけど、親父の場合はそれを上回る嫌悪感がある。



「由美さん……本当に親父で良いわけ?」

「うーん……たまに変なところもあるけど、いい人よ?」



うふふ、上品に由美さんが笑う。

俺が親父と由美さんのツーショットを受け入れるには、もう少し時間がかかりそうだ。



だけど、ここにはもう俺の居場所が用意されてるって、分かった。

もう、頑なに帰らない、なんてことはないだろう。





それからは、家族で楽しい時間を過ごした。