でも、それが壊れるのも早かった。

母さんが亡くなってから4年後、親父は再婚すると言い出した。相手は、由美さんだった。

由美さんが新しい母さんになってくれる、そう親父に言われた。

よく考えれば、二人がそういう仲になるのは当たり前だ。

優しい由美さんに触れて、母さんを失った悲しみを飲み込んだ父さんが、由美さんを好きになるのは当たり前すぎることだった。

だけど俺は、それを受け入れられなかった。信じられなかった。俺の母さんは、母さんだけで良い、そう思った。

それに、今まで姉のように思っていた由美さんが急に知らない女に見えて、気持ち悪い、とすら感じた。



当時の俺は13歳で、多感な時期で、セックスという言葉や行為を知った頃だった。

ふざけて友達とAVを見れば、気持ち悪くて吐き気がした。

親父と由美さんがそういうことをしているのかと思うと、余計に吐き気がして、気持ち悪くて――汚い、と思った。