幹部部屋からすぐに総長室に入って、荷物の整理をする。

洗濯物はあとで洗濯するために除けて、他のものは片付ける。

同じ空間で蓮もベッドに座りながら鞄に手を突っ込んで、整理をしている。



「蓮」

「ん?」

「さっきの、格好付けすぎ」

「本当のこと言っただけだろ」



チラリとあたしに目を向けて、まるで知らん顔。

あたしは小さくため息をつきながら、気になることを口にした。



「タカ、実家に帰ったんだって?」

「ああ。旅館からそのままバイクでな」



そう、タカは一緒にここに帰ってきていない。

そのまま実家に行ってしまった。

お父さんとの電話を聞いてしまったあたしとしては、気になって仕方が無いのだ。



「タカ、大丈夫なのかな……」

「お前、なんか聞いたのか?」



蓮が訝しげにあたしを見る。