「ああ。タカとは小学校から同じだ。獅龍に入ったのも同時だしな」

「へぇ」



小学生の蓮……想像つかない。

今みたいにクールで、小学生に似つかわしくない感じだったのかな。

それとも、少しは小学生らしい部分もあったのだろうか。



「懐かしい話してんな」



向かいに座っていた大河が口を挟む。



「獅龍に入った頃と言えばさ、お前とタカが仲良すぎてデキてるんじゃねぇかって噂あったよな」



お酒が入って、上機嫌そうに笑いながら言う。



「大河もその頃から獅龍にいるの?」

「おー、俺一番長いからな。中1んときか? 俺が入ってしばらくして二人で入ってきたんだけどよー、蓮のやつ全っ然話さねーの。その代わりタカが蓮の表情みて通訳してくんだよ」

「大河、変な話すんな」



蓮が面倒くさそうに大河の話を遮る。

表情はだるそうだけれど、ただ単に昔の話を掘り起こされて恥ずかしいんだと思う。



「いいじゃん。聞かせてよ」



あたしがそう言えば、蓮は勘弁してくれと言うようにため息をついた。