それに甘えている、あたしもあたしだ。


でも、今のあたしにはそうするしかない。


あの行為は確かにあたしの中で巣食うっていて、いつまでもトラウマであり、あたしの過去。


あたしが過去を受け入れられるようになるまで。


いつになるかもわからないそれが来るまで、あたしと蓮が身体的に結ばれることは無いのかもしれない。




「そういうことかぁ…」




呟くように言う颯に、頷く。




「部屋を別にする…とかは、蓮が許さないよね」


「多分…」




颯の意見に、同意する。


確かにあたしと蓮の部屋を別にすれば解決する話。


だけど、きっとそれは蓮が許さない。


それでもいいのなら、蓮がこういう風になる前にそうなっている筈だから。




「そっか…ま、仕方ないと言えば仕方ないか」




颯の声が聞こえて、視線が下がっていく。


どちらにしろ、あたしは蓮にとって荷物でしかないのかもしれない。


蓮が普通に過ごすことを妨げてるだろうし、あたしを一人に出来ないからって、あたしと一緒にいることがほとんど。


嬉しいし、蓮があたしを好いてくれているのはわかるけれど、これでいいのだろうか。


あたしは蓮の、邪魔になってないだろうか。