服は濡れたまま、洗濯機に放り投げる。
タオルは集めるところが決まってるから、後でそこに入れておけば良いはず。
少し周りを見渡すと、小さなネットがあった。
それの中に下着を入れて、洗濯機に突っ込む。
適当に使えって言っていたし、ネットも使って大丈夫だろう。
洗剤に視線を彷徨わせて、おしゃれ着洗いの方の洗剤を手に取った。
人並みに家事はできると自負している。
一人暮らしの頃は自分で全てしていたし、今だって洗濯なんかは自分でやってる。
洗剤、柔軟剤を投入して、設定をしてスタートボタンをオン。
良くあるタイプの洗濯機で、単純に動き出してくれて助かる。
濡れたタオルを持って洗面所から出ると、颯が側で立っていた。
「颯、ありがと」
「どういたしまして。あ、タオルもらうよ」
手を差し出した颯にまたありがとう、と言ってタオルを渡す。
そのまま旅館の方へ戻って時間を見ると、もう7時を過ぎていた。
「洗濯終わったら、どうすればいい?」
「ああ、後は母さんにお願いして乾燥もさせとくから、大丈夫だよ」
「え、でも悪いし」
「いいんだって。どうせ隼たちの分もあるし。母さんにはもう言っといたからさ」



