愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】




「あ、真梨ちゃん。大丈夫だった?」



真っ先に颯が声をかけてくる。



「うん、大丈夫だったよ。怪我もないし」

「それならよかった」

「真梨も散々だな、あいつらの遊びに付き合わされてよ」



まるで人ごとのように笑いながら話している大河。

まあ、大河にとっては人ごとなんだけど。



「ほんとにね」



笑いながら答える。



「それでさ、颯。これなんだけど……」



颯の方に、タオルにくるまれた塊を差し出す。

颯は納得したかのように頷いた。



「ああ、服だね。濡れちゃってるし、洗濯して乾かしちゃった方が良いよね」

「そうなの。お願いできる?」

「もちろん。ちょっと待ってね、今案内するよ」



颯は手にしていたボールを拭き終えると、「大河、後はよろしくね」と大河に任せてこちらに近づいてくる。

大河も「おう」と返事をして、泡だらけの手で洗い場を出て行くあたしたちに手を振った。



洗い場から少し離れたところに、『関係者以外立ち入り禁止』と書かれたドアがある。

颯はその前で立ち止まると、戸惑いもなくその扉を開いた。



「入って」



颯の声に導かれて、中に入る。

中はロッカールームのようになっていて、従業員が使う部屋みたいだ。

入ってきたドア以外にも扉が2つあって、颯はそのうちの一つをポケットから取り出した鍵で開けた。