蓮に出会って、遊ぶこと以外で男と関わることが増えた。

けど、別に蓮は私が男と接触することに何も思ってないと思っていて――蓮の苦しそうな姿が、昨日の私と被って、笑みが零れた。



「ふふっ」

「何笑ってんだよ」

「別に?」



ウザそうに眉間に皺を寄せて、私を睨んでくる。



「もういい」



はあ、蓮は小さくため息をついた。



「着替えて先に戻るから、お前はゆっくり風呂入ってこい」

「え、あ、うん」



蓮は背中を見せて、のれんの方にきびすを返していく。



「れ、蓮!」



のれんの前でぴたりと止まる。

ゆっくりと、こちらに振り返った。



「好き」



あたしの言葉に、蓮は一瞬目を見開く。

けれど、すぐに目を細めた。



「知ってる」



ふ、と、小さく笑って、蓮は女湯ののれんから出て行った。