「し、仕方なくない! 蓮は男風呂行けば良いでしょ?!」

「……そう言う問題じゃねえ」



じゃあどういう問題なんだ、そう口にする前に、そこは塞がれた。

ぐっと頭と背中を押さえられ、唇だけでなく体も密着する。

素肌に蓮の濡れた服が触れて、冷たい。

なのに触れた唇、体が熱くて、あたしの体が熱いのか、蓮の体が熱いのか、分からない。

苦しいくらいに体を密着され、一見乱暴なキスをされる。

けれど、嫌じゃなくて、触れている部分から蓮の気持ちが伝わってくるみたいだ。

冷たくて、熱くて、相反する、苦しくて切ない、気持ちが。

唇が離れる。熱くなった体が、離れて冷えていく。

そっと離れていく蓮の銀の瞳が、苦しげに私を見つめる。



「ムカつく……」



心臓がわしづかみされたように締め付けられる。



「分かれよ……嫌なんだよ。無防備に他の男に近づくな。見せるな。俺だけに見せろ、お前の全部……」



どくん、どくん、胸の高鳴りが止まらない。