蓮の言葉に、目の前の隼は視線をキョロキョロと彷徨わせている。



「や、これは……」



焦ったような隼の声。

蓮はそれに大きくため息を零した。



「真梨。とりあえず上がれ。風邪引く」

「え、あ、うん」



差し出された蓮の手を取る。

蓮の手によって持ち上げられ、自ら上げられた体。

水分を含んだ服がベットリと体に張り付いて、気持ち悪い。

持っていたタオルも、プールにぶちまけてしまったみたいだ。



服の状態を見れば、「……あ」と声が漏れた。

蓮も気づいたようで、「チッ」と舌打ちが聞こえる。

着ていた白のサマーニット。

下に黄色のキャミソールを着ていたけれど、どちらも薄い生地のうえに、色も濃いものではなかったせいか、うっすらと青色のブラが透けていた。



「くそが」



蓮がぼそりと呟いて、あたしの体を持ち上げる。



「う、わっ」



色気のない声が漏れて、蓮に正面から抱きつく形で抱き上げられた。