プールはさほど深くないようで、隼の胸元あたりで水が揺れている。
「ちょっと、3人とも大丈夫?!」
「真梨! 全然! 平気平気!!」
隼が叫ぶように言った。
何が全然なのか、何が平気なのか、3人はとにかく笑っている。
お酒が入ると面白くもないことに笑えたりするけれど、流石に飲み過ぎなんじゃないだろうか。
「もう、とりあえずプールから出て!風邪ひくよ!!」
「えー、でもきもちーんだもん、冷たくて」
「いいから出て! ね?」
心配してそう言っているのに、隼はんー、と首を傾げている。
すると突然、何かを思い立ったように不敵に笑った。
「真梨も! 入っちゃえば分かるよ!」
隼がそう口を開いたときには、隼に腕を引かれ、プールの方へと身を投げていた。
「きゃっ」
――ドボンッ!
体が水に包まれて、とっさに息を止めた。
水面から顔を上げれば、隼を含め三人とも私を見て笑っていた。
「ちょっと隼! なにすんの!! あーもう、ビチョビチョじゃん……」
全身水に浸かってしまって、水浸し。
隼の胸元当たりまである水面は、私の鎖骨まであった。