「それもそうだね……俺、難しく考えすぎなのかも。 会ってぶん殴るって手も、考えてみるよ」



立ち上がった颯が太陽をバックにあたしに笑いかける。

その笑顔は、いつもの颯の嘘くさい笑顔なんかじゃなくて。

子どもみたいに無邪気だった。



「さてと、」



一息ついた颯が、どこからかケータイを取り出す。



「げ、もうお昼だ」

「え? 何時?」

「12時ちょっと過ぎ。 そろそろバーベキュー始めないとね、お腹も空いたし。 流石に蓮たちも起きてるでしょ」

「うん……多分」



蓮はあたしと同じ時間に寝たから大丈夫だと思う。

けど……



「なにその多分って」

「いやだって、菜穂とか大河とか……みんな遅くまで起きてたんじゃないの?」

「あー……確かに。 でも大丈夫でしょ、多分。 二日酔いって可能性はあるけど」

「結構飲んでたもんね」

「多分今夜はもっと飲むよ。 明日は帰るしね」



昨日以上に飲むってこと?

一応確認しとくけどあんたたち未成年だからね、未成年。