【完】幽霊のカケラ




 在り来たりな話、何か心残りがあるからさ迷ったり知らせにきたりする。例えば、ずっと逢いに来てくれない上にお墓が移転。すると何かを理由として、そのお墓に来させたり。諦めていたら諦めるな、として現われたり。


「その先生、そっとしといて下さい。例え、見える生徒がいて何か悪ふざけをしたら覚悟が必要ですよ?」

「な、何故だね? 脅しかね?」

「脅しな訳ないじゃないですか。一応新風 小菊の息子ですよ。……あるかないか、分かりませんが取り付いて悪さするかもね?」


 少しだけ脅しをかけてしまった。が、もし誰かが取り付かれたら俺の仕事が増えるじゃないか。そうなる前に空に返さなきゃいけない……。

 まっすぐ理科室に行き、後ろ、前両方の引き戸の鍵を閉めカーテンをする。次の2時間は体育なので2時間たっぷりとあるが、短時間で済む。素直ならね。


「……先生?」

「あら、東雲くん。やはり見付かってしまいましたか。……誰かの中に入って復習も考えましたが、無理でした」

「では、何故居座るのですか?」

「上がれないのよ……」


 ――……そうか。ある本で読んだ事がある。あれは作り話だったが、前にも子供と老人で苦労したものだ。カケラ(感情)が落ちてしまったのだろうか。

 俺はぶつぶつ専門用語(難しい為略させて頂きます)を並べ、手を広げ全指をフイッと上げた。すると先生はふわっと浮き、星への道に進んだのだ。