(ママさんが怒ってまちゅ!おばちゃまと言う人は、悪い人なんでちゅか?ママさんは、僕が守るでちゅよ!」


カナルは、おばさんを睨み付けた。

「やだっ!この子、なんだか怖いわ。」


「姉さんがカナルに酷いこと言うからだぞ。普段のカナルならニコニコして優しい顔なんだからな。」

「あらっ、そうなの?私も言い過ぎたわ。ごめんなさいね、カナルくん。」


母は、それを聞いて微笑んだ。カナルは、母の笑顔を見て笑顔になった。


「まぁ、ホントね!カナルくんは、笑顔が素敵ね!」

母は、おばさんが苦手だったが、今日だけはカナルのおかげでおばさんと気楽に出来そうだと思った。カナルもなんとなく、母の感情が伝わった。


(ママさんが笑ってまちゅ。おばちゃまと言う人は、悪い人ではないみたいでちゅね。でも、ママさん緊張しているみたいでちゅね。大丈夫でちゅよ、僕がいまちゅからね。)


(今のもお前さんの力じゃよ。)


今まで話しかけても返事がなかった天使の声がした。しかし、頭の中ではなくておばさんが持ってきたプレゼントの中から聞こえてきた。

(天使さん?そこにいるんでちゅか?)

カナルは、プレゼントの箱を見つめた。


(うむ、人間にバレない姿でお前さんのそばにいないとな。)


(でも、お話してたらバレちゃいまちゅよ?)

(大丈夫じゃ、人間にはわしの声は聞こえとらんよ。それよりもお前さんの感情によっていろいろな力が発揮できるようじゃの!今の笑顔も無意識に人の悪を浄化したようじゃ。これは良いことじゃが、やはりコントロール出来てないと、この先心配じゃな。)




「アウ…、ア、ア、アウ。」

「ん?どうしたんだ、カナル?プレゼントが気になるのか?」


父は、カナルの近くにプレゼントを持ってきた。

「姉さん、これ何が入ってるの?」


「ふふふっ。あけて見たらわかるわ。ビックリするわよ。」


おばさんの笑いは、不気味だった。


ガサガサ…。


父は包みを取った。


「あっ!」母と父は、声を揃えた。