(人間の前でむやみに力を使うでない!じゃから、昨日ちゃんと話を聞いといてほしかったんじゃ。人間として暮らすならルールを守ってもらうぞい。)

(ルールってなんでちゅか?)

(決まりごとのことじゃ。)
天使は、昨日の話の続きをした。そして、大事なルールについても伝えた。

(お前さんにもわかりやすく言っておくがの。人間は、そんな力を持っていない。特別魂のみじゃ、もし人間の前で力を使えば、母親に引き離され体を調べられる。わかるかの?)


カナルは、天使の言葉をあまり理解は、出来ていない。赤ん坊だからだ。しかし、母と引き離されると言う所だけは、しっかりと聞いていた。


(ママさんと離れるなんて嫌でちゅ!うわぁ〜ん!(泣))


(おいっ、おいっ、泣くでない。もしもの話じゃよ。)



「オギャア〜!オギャア〜!」


「ど、どうしたの?急に泣き出して。ミルク飲んだばかりだし、機嫌悪いはずじゃないのに。」


母は、カナルの尋常じゃない泣き声にオロオロしていた。父は、心配そうに近づいた途端。




ゴロゴロ…、ピカッ!
ドドドーン!!!


家が震えるほどのものすごい雷が鳴った。


「キャー!!!」


母のビックリした叫びは、カナルを驚かせ泣き止ませた。



「大丈夫か?!さっきまであんなに晴れてたのに、今日の新聞でも曇りひとつない晴れだと書いてあったぞ。」

「あ〜、ビックリしたわ。私は、大丈夫よ。天気予報なんてあてにならないわね。カナルも驚かせてしまってごめんね。大丈夫?」




カナルは、きょとんとしていた。


(今のは、お前さんの力のせいじゃよ。感情によって、まだ力の加減が出来んようじゃの)



天使は、カナルに話しかけてきた。


(僕のせいでちゅか?ママさんを怖がらせるなら、僕こんな力いらないでちゅよ。)


カナルは、泣きたいのを我慢した。また、力のせいで母を怖がらせてしまうと思ったからだ。