その夜。

「はぁ〜、やっと寝てくれたわ。カナルは、甘えん坊になりそうね。少しでも離れるとすぐ泣き出すんだもん。」



「…。」
父、沈黙。



「どうしたの、考えごと?」



母は、父の隣に座り、父の顔を見た。父は、言った。


「絶対にカナルは、魔法が使えるって!」


「…、またその話ですか。そんなわけないでしょ。」
母、呆れる。



「え〜!だってママだって聞いただろ。カナルは絶対に喋ったよ。その後、すぐに俺の会社のトラブルがなくなったんだよ。」



「ん〜、聞き間違えじゃないかしら…。会社のことだって、たまたまよ。」



母の落ち着いた心は、興奮していた父の心を落ち着かせた。


「そうだな。あり得ないよな(笑)。」


………………………


(お〜い、聞こえとるかの。カナル)



カナルは、寝ていた。


(わしじゃよ。カナルや、起きろい。)



カナルの頭の中に、またあの天使の声が聞こえてきた。



(ん〜、うるちゃいでちゅね。僕は眠たいんでちゅよ。)


カナルは、かなりめんどくさそうに答えた。







(う…う…、ひどい(泣))
また天使が泣き出した。

(もぉ。よく泣く天使さんでちゅね。ご用件はなんでちゅか?)


天使は、泣くのを我慢して神様からの伝言を伝えた。

(じゃからの、お前さんは人間として暮らしてもよいが、17歳になる年から神様としての勉強をしてもらうことになったのじゃ。)


(なんで僕が神様のお勉強しなくちゃダメなんでちゅか?)

嫌そうにカナルは言った。


(う…う…、今から説明しようと思っとるのに、わし年上なのにお前さんの言葉で心ボロボロじゃわい(泣))


(つまりじゃの、お前さんの力は、神様レベルと判断されたのじゃ。いずれは、神様にならないといけないのじゃよ。神様になれる特別魂は、1000年に一度じゃ。それがお前さん、カナルなんじゃよ。)




(…スゥ〜、zzZ。)
天使の話が長すぎて、カナルは寝てしまった。


(…。(泣))