その放課後。カナルはあの後、放課後になるまで健ちゃんを無視していた。
健ちゃんは、悲しそうに落ち込んで座っていた。カナルは、少し健ちゃんが可哀想になってきたので許してあげようと思って、健ちゃんに声をかけようとしたら、カナルに知らない女の子が話しかけてきた。

「ねぇ、あなたが南都君?」

「あっ!ジュリ。」
健ちゃんは立ち上がった。
カナルは、考えた。話をしたことのない子に話しかけられ、健ちゃんは知っている子で…。

「あ〜っ!健ちゃんの家と隣りの子?!」

「うん、そうよ。名前は、上杉 ジュリよ。南都君でしょ!」ジュリは、ニコッと笑った。

「うん、そうだけど何?」
カナルは、気まずそうに返事した。

「健ちゃんのこと怒らないで、お人好しなだけで悪気があったわけじゃないの。それに私は誰にも言わないし、言っても自分になんの特にもないわ。」
ジュリは、とても気が強くハキハキと喋るので、カナルも勘違いだとも言えずにいた。

「別に、もう健ちゃんに怒ってないよ。今、健ちゃんに声をかけようとしたら上杉さんに声かけられたからさ。」

「ジュリでいいわよ。」

「あっ、はい。」カナルは、ジュリに圧倒されていた。

「ホント?カナル、もう怒ってない?」
健ちゃんは、恐る恐るカナルに話しかけた。

「うん、怒ってないよ。健ちゃんがお人好しなのは昔から知ってるし、でも少し僕も維持になってた。ごめんね、健ちゃん。」
「ううん、よかった〜。」健ちゃんは、ホッとした。カナルは笑顔になった。

「所でさ、仲直りしていいムードの所悪いんだけど本題に入っていいかな。」ジュリは、ズカズカと二人の間に入ってきた。

「所でって、ジュリはカナルになんの用?」健ちゃんは、カナルを守るようにカナルの前に立った。

「なんの用って、私も話を聞いた仲なんだから、協力する仲間にしてもらわなきゃ!どいて!」
ジュリは、健ちゃんを押しのけてカナルの前に立った。

「ねっ!いいでしょ!」

カナルは、ジュリの迫力にただ頷くしかなかった。

「フッフッ、決まりね!そうと決まれば、あの子のことと後…いい計画があるの。」

ジュリの悪そうな笑みにカナルも健ちゃんも固まっていた。